Azureのコンピューティングを図解|仮想マシン・コンテナー・関数の選び分け【AZ-900】

Azureのコンピューティングを図解|仮想マシン・コンテナー・関数の選び分け【AZ-900】|Azure資格の森 AZ-900 Azure Fundamentals
無料AZ-900 出題範囲 2-2(前半)|仮想マシン・コンテナー・関数の選び分けを、未経験からわかるように整理します。

Azureで「アプリを動かす」方法は1つではありません。仮想マシン・コンテナー・関数、そしてWebアプリ用のサービス。どれを選ぶかで、自分で管理する範囲も、かかる料金の形も変わります。

試験では「こういう要件です。どれを使いますか?」という形で問われます。暗記より、選び分けの基準を持つことが近道です。

この記事の結論

  • 選び分けの軸は「自分でどこまで管理したいか」。仮想マシン → コンテナー → 関数 の順に、管理する範囲が小さくなります。
  • OSを自分で設定したいなら仮想マシン。既存のアプリをそのまま移す(リフト&シフト)にも向きます。
  • 使ったときだけ払いたいなら関数(Azure Functions)
  • まぎらわしい3つ——Scale Sets=数を増やす/可用性セット=同時に落ちないよう分ける/可用性ゾーン=物理的に離す
何で動かすか3つの選び分け。仮想マシンはOSごと自分で管理し自由度が最大、コンテナーはアプリと必要なものを箱に詰めAzure Container InstancesやAzure Kubernetes Serviceで動かす、関数はコードだけを置いて実行しAzure Functionsで実行した分だけ課金。右に行くほど自分で管理する範囲が小さくなる

3つの計算方式:仮想マシン・コンテナー・関数

まず全体像です。Azureでアプリを動かす方法は、大きく3つに分かれます。

方式 ひとことで 自分で管理する範囲
仮想マシン クラウド上のサーバー1台を借りる OSより上をすべて
コンテナー アプリと必要なものを箱に詰めて動かす アプリと箱の中身
関数 コードだけを置いて、呼ばれたら動く コードだけ

下に行くほどラクになる代わりに、自由度が減ります。この一直線の関係が頭に入っていれば、要件を読んだときに迷いません。

Azure Virtual Machines:OSごと自分で管理する

Azure Virtual Machines(仮想マシン、VM)は、クラウド上に作るサーバーです。IaaSの代表で、OSに直接ログインして、好きなソフトをインストールできます

向いているのは次のような場面です。

  • 社内で動かしていたアプリを、できるだけ改修せずにクラウドへ移したい(リフト&シフト)
  • OSのバージョンや設定を、自分たちで細かく決めたい
  • 特殊なソフトウェアをインストールする必要がある

仮想マシンを作るときに、一緒に要るもの

「VMを1台作る」と言っても、実際にはVM単体では動きません。次のものがセットで必要になります。

必要なもの 役割
仮想ネットワークとサブネット VMを置くネットワーク。どこにもつながっていないと通信できません
ネットワークインターフェイス(NIC) VMをネットワークにつなぐ口
ディスク(OSディスク/データディスク) OSとデータの保存先
パブリックIPアドレス(必要な場合) インターネットから直接アクセスするときに使います

試験では「VMを作成するときに一緒に作成されるものはどれか」という形で問われることがあります。「ネットワークとディスクが要る」と覚えておいてください。

Virtual Machine Scale Sets:台数を自動で増減させる

Azure Virtual Machine Scale Setsは、同じ構成のVMをひとまとまりで扱い、需要に応じて台数を自動的に増減させるしくみです。

アクセスが増えたら台数を増やし、落ち着いたら減らす。これがスケールアウト/スケールインで、クラウドらしい使い方の代表例です。公式もVMの高可用性の手段として、まずScale Setsを勧めています。

可用性セット:同時に落ちないよう配置を分ける

可用性セットは、名前が似ていますが役割がまったく違います。公式の説明はこうです。

「可用性セットは、関連するVMが同時にダウンする相互関係がある障害の可能性を減らすVMの論理グループです。可用性セットは、複数の障害ドメインにVMを分散させ、信頼性を向上させます。」

ここで2つの言葉が出てきます。

  • 障害ドメイン:電源やネットワークを共有するハードウェアのまとまり。分けておけば、片方が壊れてももう片方は生きています
  • 更新ドメイン:まとめて再起動される可能性があるグループ。分けておけば、メンテナンスで全台が同時に止まりません

公式によると、各可用性セットには最大3つの障害ドメインと20個の更新ドメインを含めることができ、これらは作成後に変更できません。また「可用性セットを使用するための追加コストは発生しません」と明記されています。

試験で狙われる点

公式は「可用性セットは高可用性を提供しますが、可用性ゾーンと同じレベルの回復性を提供しません」と明記しています。可用性セットは同じデータセンター内での分散なので、データセンターごと止まる障害には対応できません。信頼性を最優先するなら可用性ゾーンです。

Azure Virtual Desktop:デスクトップをクラウドに置く

Azure Virtual Desktop(AVD)は、WindowsのデスクトップやアプリをAzure上で動かし、手元の端末から使えるようにするサービスです。

使いどころは「在宅勤務でも社内と同じ環境を使いたい」「私物端末にデータを残したくない」といった場面です。サーバーアプリの実行基盤ではなく、利用者のデスクトップを配るものという点を押さえてください。

コンテナー:アプリを箱に詰めて動かす

コンテナーは、アプリと動かすのに必要なものをひとまとめにした「箱」です。OSまるごとを持ち運ぶ仮想マシンより軽く、起動が速いのが特徴です。Azureには2つの代表的なサービスがあります。

サービス 向いている場面
Azure Container Instances コンテナーを手軽に1つ動かしたいとき。設定が少なく、すぐ試せます
Azure Kubernetes Service コンテナーをたくさん、まとめて運用したいとき。自動復旧やスケールを任せられます

Azure Functions:使ったときだけ動く

Azure Functionsは、コードだけを置いておき、何かのきっかけで呼ばれたときに実行されるしくみです。サーバーレスの代表例で、動いた分だけ課金されます

「毎晩1回ファイルを整形する」「ファイルがアップロードされたら通知を送る」といった短い処理に向きます。逆に常に動き続ける必要がある処理には向きません

Webアプリはどこで動かす?

Webサイトやアプリを動かす方法は、上の3つ全部が候補になります。ここで登場するのがAzure App Serviceです。

App ServiceはPaaSで、OSやミドルウェアの面倒はAzureが見てくれます。利用者はアプリを置くだけ。「Webアプリを動かしたいが、サーバーの管理はしたくない」ならこれが第一候補になります。

【比較】結局どれを選ぶか

要件に出てくる言葉 選ぶもの
OSに入って設定したい/既存アプリをそのまま移したい Azure Virtual Machines
同じ構成のVMを需要に応じて自動で増減したい Virtual Machine Scale Sets
VMが同時に停止しないようにしたい(同じデータセンター内) 可用性セット
データセンターの障害にも耐えたい 可用性ゾーン
デスクトップ環境を利用者に配りたい Azure Virtual Desktop
コンテナーを手軽に1つ動かしたい Azure Container Instances
コンテナーを大量に運用したい Azure Kubernetes Service
短い処理を、使ったときだけ動かしたい Azure Functions
Webアプリを、サーバー管理なしで動かしたい Azure App Service

試験ではこう問われる

問われ方 判断のしかた
Scale Sets と 可用性セットの区別 数を増やすのか、同時に落ちないよう分けるのか
可用性セットで台数は増えるか 増えない
可用性セットに追加料金はかかるか かからない(VMの料金だけ)
可用性セットと可用性ゾーン、どちらが強いか 可用性ゾーン(公式が明記)
「改修せずに移したい」 仮想マシン
「使っていないときは課金されたくない」 Azure Functions
「サーバー管理なしでWebアプリを動かしたい」 Azure App Service

確認クイズ

読んだ直後に3問だけ。選ぶとその場で正誤と解説が出ます。

Q1

社内で長年使ってきた業務アプリを、できるだけ改修せずにAzureへ移したい。OSの設定もこれまでどおり自分たちで行う必要があります。適した選択肢はどれですか。

1つ選んでください

A. Azure Virtual Machines
B. Azure Functions
C. Azure App Service
D. Azure Virtual Desktop

「改修せずに移す」「OSを自分で管理する」——この2つが出てきたら仮想マシン(IaaS)です。逆に「サーバー管理をなくしたい」ならApp ServiceやFunctionsを検討します。
Q2

仮想マシンまわりのしくみについて、次の各文が正しいかどうかを判定してください。

各文について「はい」か「いいえ」を選んでください(文ごとに1点)

1. Virtual Machine Scale Sets を使うと、同じ構成の仮想マシンを需要に応じて自動的に増減できる。

はいいいえ

2. 可用性セットを使うと、仮想マシンの台数が自動的に増える。

はいいいえ

3. 可用性セットの利用には、追加の料金がかからない。

はいいいえ

名前が似ている3つを、担当している課題で区別してください。Virtual Machine Scale Sets=数を自動で調整する可用性セット=同時に落ちないよう配置を分ける可用性ゾーン=物理的に離れた場所へ分ける。なお公式は、可用性セットより可用性ゾーンのほうが信頼性は高いと説明しています。
Q3

「1日1回、深夜に届いたファイルを整形して別の場所へ保存する」という短い処理を動かしたい。使っていない時間に料金を払いたくないという要件があります。適したものはどれですか。

1つ選んでください

A. Azure Functions
B. Azure Virtual Machines
C. Azure Kubernetes Service
D. Azure Virtual Desktop

「使ったときだけ課金」=サーバーレスです。AZ-900では「イベントをきっかけに短い処理を動かす」「使っていないときは払わない」という条件が出てきたらFunctionsを選びます。

まとめ

  • 選び分けの軸は「自分でどこまで管理したいか」
  • 仮想マシン=OSごと管理。改修せずに移すならこれ。ネットワークとディスクがセットで要る
  • Virtual Machine Scale Sets=台数を自動で増減/可用性セット=同時に落ちないよう分散(追加料金なし・最大3障害ドメイン/20更新ドメイン)
  • 可用性ゾーンのほうが可用性セットより信頼性は高い(公式の明記)
  • コンテナー=Container Instances(手軽に1つ)/Kubernetes Service(大量運用)
  • Azure Functions=使ったときだけ動いて、使ったときだけ課金
  • Azure App Service=サーバー管理なしでWebアプリを動かす

※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の各サービス公式ドキュメントの記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。引用は公式の日本語表記のままです。仕様は変更されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

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