AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)は、クラウドとAzureの基礎を証明する入門レベルの資格です。前提となる資格はなく、Azureのキャリアの出発点として公式に位置づけられています。このページでは、公式に公開されている事実だけを使って、出題範囲・受験料・試験当日の流れをまとめています。
AZ-900はどんな試験か
公式の説明では、受験者像は「クラウドの概念全般、特に Microsoft Azure に関する基本的な知識の実証を望むテクノロジの専門家」とされています。ただし必須の前提資格はありません。実際に問われるのは、次の3つを「説明できるか」「見分けられるか」です。
- クラウドとは何か(共同責任モデル、IaaS・PaaS・SaaS、従量課金)
- Azureに何があるか(リージョン、仮想マシン、ストレージ、Microsoft Entra ID)
- Azureをどう管理するか(コスト、ポリシー、監視)
AZ-900は手を動かす試験ではなく、用語と役割を「見分ける」試験です。公式の出題範囲は「〜について説明する」「〜を識別する」「〜を比較する」という書き方で統一されています。つまり用語を暗記しただけでは足りず、似たもの同士の違いが言えるかが問われます。
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験コード | AZ-900 |
| 認定資格 | Microsoft 認定: Azure Fundamentals |
| レベル | 初級(Fundamentals)/前提資格なし |
| 合格スコア | 700(1000点満点) |
| 試験時間 | 45分(着席時間は65分) |
| 受験料(日本) | 12,180円(税別。国・地域で変わり、予告なく変更されることがあります) |
| 言語 | 日本語で受験できます(英語・日本語ほか全13言語) |
| 申し込み | Pearson VUE |
| 出題範囲の基準日 | 2026年7月20日現在のスキル |
問題数は公式に公表されていません。「◯問中◯問正解で合格」と書いてある情報を見かけますが、それは公式の数字ではありません。また700点は「正答率70%」という意味ではありません(配点は問題ごとに異なるスケールドスコア方式です)。
申し込みには個人のMicrosoftアカウント(MSA)を使うことが公式に強く推奨されています。会社や学校のアカウントで登録すると、その組織を離れた時点で試験の記録が失われ、復旧できません。
出題範囲(3ドメイン・11スキル・57項目)
Microsoft公式の出題範囲は次の3領域です。勉強する内容は、この57項目から選べば足ります。配点の比率も公式が公開しているので、時間配分の目安になります。各テーマの解説は順次公開していきます。
※ 公式は箇条書きについて「そのスキルをどのようにして評価するかを説明することを目的としています。関連するトピックが試験に出題される可能性があります」と注記しています。つまり一言一句この通りに出るわけではなく、この範囲まわりの理解が問われると読むのが正確です。
ドメイン1:クラウドの概念について説明する
配点 25〜30%
- クラウドコンピューティングとは共同責任モデル/パブリック・プライベート・ハイブリッド/従量課金/サーバーレス
- クラウドを使う利点高可用性・スケーラビリティ/信頼性・予測可能性/セキュリティとガバナンス/管理の容易さ
- IaaS・PaaS・SaaSの違い3つの責任範囲と、要件からどれを選ぶかの見分け方
ドメイン2:Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する
配点 35〜40%
- リージョンと階層の全体像リージョン・リージョンペア・可用性ゾーン/リソースグループ・サブスクリプション・管理グループ
- コンピューティング仮想マシン・コンテナー・Functions/VM Scale Sets・可用性セット・Azure Virtual Desktop
- ネットワーク仮想ネットワーク・サブネット・ピアリング/Azure DNS・VPN Gateway・ExpressRoute/エンドポイント
- ストレージStorageサービスの比較/アクセス層/冗長性(LRS・ZRS・GRS)/移行とファイル転送のツール
- ID とアクセスMicrosoft Entra ID/SSO・多要素認証・パスワードレス/条件付きアクセス/RBAC
- セキュリティゼロトラスト/多層防御/Microsoft Defender for Cloud
ドメイン3:Azureの管理とガバナンスについて説明する
配点 30〜35%
- コスト管理料金が決まる要因/料金計算ツール/Microsoft Cost Management/タグ
- ガバナンスとコンプライアンスAzure Policy/リソースロック/Microsoft Purview
- 管理とデプロイのツールAzure portal・Cloud Shell・CLI・PowerShell/ARMテンプレート/Azure Arc
- 監視ツールAzure Monitor(Log Analytics・アラート・Application Insights)/Advisor/Service Health
※ 上は11スキルの見出しです。57項目の全文は、出題範囲まとめに公式の日本語表記のまま載せています。
試験当日のこと(公式に出ている事実)
意外と情報が少ないところなので、公式ドキュメントに書かれていることをまとめます。
- 解答に使えるのは45分、確保しておくべき時間は65分。差の20分は、説明の確認・受験者規則同意書への同意・終了後のコメント記入(任意)に使われます
- 5分の休憩が、あらかじめ試験時間に組み込まれています。公式は「これに対応するため、試験から質問を削除しました」と説明しています
- 休憩を始めると、それまでに表示した問題には戻れません。未解答でも、見直し印を付けていても戻れません。休憩中も試験の時計は進みます
- AZ-900のような基礎試験では、試験中にMicrosoft Learnを見ることはできません。これができるのはアソシエイト以上のロールベース試験だけです
Microsoftは「試験サンドボックス」という本番とまったく同じ画面を無料で試せるデモを公開しています。日本語に対応していて、問題の種類ごとの答え方、残り時間の見方、見直しのために問題へ印を付ける方法まで確認できます。当日はじめて画面を見るより、ここで一度触っておくほうが確実です。
Microsoftは「試験のセキュリティと認定資格の価値を保護するため、特定の試験形式や質問の種類を試験前に特定することはありません」と明言しています。そのため当サイトでも「この形式が何割出る」といった数字は書きません。形式を知りたい場合は、上の試験サンドボックスで実際に触ってください。
学習の進め方
- 範囲の全体像をつかむ:上の3ドメインを眺めて、配点の重い「Azureのアーキテクチャとサービス(35〜40%)」に時間を多く割ると決める
- 用語を1つずつ理解する:各テーマの解説記事で、似たもの同士の違いまで押さえる
- 違いを言えるか確かめる:「リージョンペアと可用性ゾーンの違いは?」を自分の言葉で説明できるかで確認する
- 本番の画面に慣れる:試験サンドボックスと公式のプラクティス評価(無料)で、当日の操作に慣れておく
このサイトの方針
- 完全無料・登録不要で読めます
- 公式シラバスの57項目を1つ残らずカバーします(要点まとめで終わらせません)
- 名称は最新に合わせます。たとえば Azure Active Directory は Microsoft Entra ID に変わっており、古い名前のままの解説は試験と食い違います
- 練習問題はすべて公式シラバスに基づく自作のオリジナルです。実際の試験問題は使用していません
よくある質問
Q. 未経験でもAZ-900に合格できますか?
A. 前提となる資格はなく、初級レベルの試験として公式に位置づけられています。ITの実務経験がなくても対策は可能です。ただし公式は受験者像として「インフラストラクチャの管理/データベースの管理/ソフトウェア開発」といった分野の経験に触れているので、まったく触れたことがない人ほど、用語の意味を1つずつ潰す必要があります。
Q. 日本語で受験できますか?
A. できます。AZ-900は日本語を含む13言語で提供されています。なお公式は「英語版が最初に更新され、他の言語は約8週間後に更新される」と説明しています。
Q. AZ-900とAI-901、どちらから受けるべきですか?
A. Azureそのものが初めてならAZ-900からです。クラウドの共通用語(リージョン、サブスクリプション、課金)を先に押さえると、AIの資格の理解も速くなります。AIの分野に絞って学びたい場合はAI-901(Azure AI Fundamentals)を先にしても構いません。どちらも前提資格は不要です。
Q. 何時間くらい勉強すれば足りますか?
A. 公式は勉強時間を示していません。必要な時間は前提知識で大きく変わるため、当サイトでも断定的な数字は出しません。目安が必要な場合は、上の出題範囲のうち「知らない用語がいくつあるか」を数えるのが、他人の平均値より確実です。
※本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。試験の最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。