「AZ-900って、結局どこまで勉強すればいいの?」——独学でいちばん時間をムダにしやすいのが、出題範囲の外を勉強してしまうことです。AZ-900は長く続いている試験なので、ネット上には古い版を前提にした情報も残っています。
この記事では、Microsoft公式の「評価されるスキル」57項目を、公式の日本語表記のまま一覧にします。要約や言い換えはしていません。これが試験で問われる範囲のすべてです。
- 出題範囲は公式の「評価されるスキル」3ドメイン・11スキル・57項目。勉強する内容はここから選べば足ります。
- 配点はクラウドの概念 25〜30%/Azureのアーキテクチャとサービス 35〜40%/管理とガバナンス 30〜35%。いちばん重いのは真ん中です。
- この版は2026年7月20日現在のスキル。Microsoft Entra ID の表記になっており、Azure AD 表記の教材は更新が止まっています。
- 語尾はすべて「説明する」「識別する」「比較する」。暗記ではなく「見分けられるか」を問う試験です。
出題範囲の全体像(3ドメイン・配点)
AZ-900の出題範囲は、大きく3つに分かれます。
| ドメイン | 配点 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 1. クラウドの概念について説明する | 25〜30% | クラウドとは何か。Azureに限らない共通の考え方 |
| 2. Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する | 35〜40% | Azureに何があるか。リージョン・計算・保存・ID |
| 3. Azureの管理とガバナンスについて説明する | 30〜35% | どう管理するか。お金・ルール・道具・監視 |
※ 配点はMicrosoft公式の学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)の記載。合格スコアは1000点満点中700点、試験時間は45分です。
時間配分の目安:ドメイン2と3で合計65〜75%を占めます。つまり「Azureそのものの話」が3分の2以上。ドメイン1(クラウド一般論)は配点が一番軽いので、ここに時間をかけすぎないようにしてください。
出題範囲の全57項目(公式の日本語表記のまま)
公式の「評価されるスキル」をそのまま一覧にしました。各スキルには、当サイトの解説記事へのリンクを付けています(順次公開)。
公式はこの箇条書きについて、こう注記しています。「評価される各スキルの後に続く箇条書きは、そのスキルをどのようにして評価するかを説明することを目的としています。関連するトピックが試験に出題される可能性があります」。
つまり一言一句この通りに出るわけではなく、この範囲まわりの理解が問われると読むのが正確です。「57項目を丸暗記すれば受かる」ではありません。
ドメイン1:クラウドの概念について説明する
配点 25〜30% / 3スキル・15項目
1-1. クラウド コンピューティングについて説明する(解説記事)
- クラウド コンピューティングを定義する
- 共同責任モデルについて説明する
- パブリック、プライベート、ハイブリッドなど、クラウド モデルを定義する
- それぞれのクラウド モデルに適したユース ケースを識別する
- 従量課金モデルを説明する
- クラウドの価格モデルを比較する
- サーバーレスを説明する
1-2. クラウド サービスを使用する利点について説明する(解説記事)
- クラウドでの高可用性とスケーラビリティの利点について説明する
- クラウドの信頼性と予測可能性の利点について説明する
- クラウドでのセキュリティとガバナンスの利点について説明する
- クラウドでの管理の容易さの利点について説明する
1-3. クラウド サービスの種類について説明する(解説記事)
- サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) について説明する
- サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) について説明する
- サービスとしてのソフトウェア (SaaS) について説明する
- 各種クラウド サービス (IaaS、PaaS、SaaS) に適しているユース ケースを識別する
ドメイン2:Azure のアーキテクチャとサービスについて説明する
配点 35〜40% / 4スキル・27項目
2-1. Azure のコア アーキテクチャ コンポーネントについて説明する(解説記事)
- Azure リージョン、リージョン ペア、ソブリン リージョンについて説明する
- 可用性ゾーンについて説明する
- Azure データセンターについて説明する
- Azure リソースとリソース グループについて説明する
- サブスクリプションについて説明する
- 管理グループについて説明する
- リソース グループ、サブスクリプション、管理グループの階層について説明する
2-2. Azure コンピューティングおよびネットワーク サービスについて説明する(解説記事)
- コンテナー、仮想マシン、関数など、コンピューティングの種類を比較する
- Azure 仮想マシン、Azure Virtual Machine Scale Sets、可用性セット、Azure Virtual Desktop などの仮想マシンのオプションについて説明する
- 仮想マシンに必要なリソースについて説明する
- Web アプリ、コンテナー、仮想マシンなどのアプリケーション ホスティング オプションについて説明する
- 仮想ネットワーク (仮想ネットワーク、サブネット、ピアリング、Azure DNS、Azure VPN Gateway、ExpressRoute のAzureの目的を含む) について説明する
- パブリックおよびプライベート エンドポイントを定義する
2-3. Azure ストレージ サービスについて説明する(解説記事)
- Azure Storage サービスを比較する
- ストレージ層について説明する
- 冗長性オプションについて説明する
- ストレージ アカウントのオプションとストレージの種類について説明する
- AzCopy、Azure Storage Explorer、Azure File Sync など、ファイルを移動するオプションを識別する
- Azure Migrate や Azure Data Box などの移行オプションについて説明する
2-4. Azure の ID、アクセス、セキュリティについて説明する(解説記事)
- Microsoft Entra ID や Microsoft Entra Domain Services など、Azure のディレクトリ サービスについて説明する
- シングル サインオン (SSO)、多要素認証 (MFA)、パスワードレスなど、Azure での認証方法について説明する
- Azure の外部 ID について説明する
- Microsoft Entra 条件付きアクセスについて説明する
- Azure ロールベースのアクセス制御 (RBAC) について説明する
- ゼロ トラストの概念について説明する
- 多層防御モデルの目的を説明する
- Microsoft Defender for Cloud の目的について説明する
ドメイン3:Azure の管理とガバナンスについて説明する
配点 30〜35% / 4スキル・15項目
3-1. Azure でのコスト管理について説明する(解説記事)
- Azure のコストに影響する可能性がある要因について説明する
- 料金計算ツールを調べる
- Azure のコスト管理機能について説明する
- タグの目的について説明する
3-2. Azure のガバナンスとコンプライアンス機能およびツールについて説明する(解説記事)
- Azure での Microsoft Purview の目的について説明する
- Azure Policy の目的について説明する
- リソース ロックの目的について説明する
3-3. Azure リソースを管理およびデプロイするための機能とツールについて説明する(解説記事)
- Azure portal について説明する
- Azure Cloud Shell、Azure CLI、およびAzure PowerShellについて説明する
- Azure Arc の目的について説明する
- コードとしてのインフラストラクチャ (IaC) について説明する
- Azure Resource Manager (ARM) と ARM テンプレートについて説明する
3-4. Azure の監視ツールについて説明する(解説記事)
- Azure Advisor の目的について説明する
- Azure Service Health について説明する
- Log Analytics、Azure Monitor アラート、Azure Monitor Application Insights を含む Azure Monitor について説明してください
この一覧をどう使うか
① まず「知らない用語」を数える
上の一覧をひととおり眺めて、意味を説明できない用語がいくつあるか数えてください。リージョンペア、可用性ゾーン、LRS、RBAC、Azure Policy、Azure Arc……。
この数が、あなたにとっての勉強量です。他人の「〇時間で受かった」より、こちらのほうが確実です。見積もり方は 難易度と勉強時間の目安 に書きました。
② 語尾に注目する
57項目の語尾を見てください。「説明する」「識別する」「比較する」「定義する」しかありません。「構築する」「実装する」「トラブルシューティングする」は1つもないのがAZ-900の特徴です。
つまり手を動かして作れる必要はなく、見て分かればいい。逆に「識別する」「比較する」が多いということは、似たもの同士を並べて違いを言えるかが問われるということです。
| 語尾 | 求められていること |
|---|---|
| 定義する/説明する | それが何かを、自分の言葉で言えるか |
| 識別する | 場面を読んで、どれを使うか選べるか |
| 比較する | 複数を並べて、違いを言えるか |
③ 配点の重い順に手を付ける
時間が足りないときは、ドメイン2(35〜40%)からです。リージョンと階層、コンピューティング、ストレージ、IDの4つ。ここは分量も多いぶん、配点も一番大きくなっています。
古い教材との差:名前が変わったもの
AZ-900は長く続いている試験なので、手元の本やネットの記事が古い版を前提にしていることがあります。いちばん影響が大きいのがサービス名の変更です。
この一覧を見ると、ID関連のスキル(2-4)に Microsoft Entra ID と書かれています。これは以前 Azure Active Directory(Azure AD) と呼ばれていたものです。公式の出題範囲は新しい名前に更新済みなので、旧名称のまま説明している教材は、その時点で更新が止まっていると考えたほうが安全です。
当サイトの解説はすべてこの57項目(2026年7月20日現在のスキル)に合わせて書いています。シラバスが改訂されたら、この記事も更新します。手元の教材を使うときは、いつの版を前提にしているか確認してください。
よくある質問
Q. この57項目以外は絶対に出ませんか?
A. 「絶対に1問も出ない」とは公式も言っていません。公式は「箇条書きはそのスキルをどのようにして評価するかを説明することを目的としています。関連するトピックが試験に出題される可能性があります」と注記しています。ただしこの範囲から離れた内容は問われません。勉強の対象をここから選べば足ります。
Q. 問題数と、ドメインごとの出題数は?
A. どちらも公式に公表されていません。公表されているのは配点の比率(25〜30%/35〜40%/30〜35%)だけです。「ドメイン2から〇問」といった数字は公式の情報ではありません。
Q. プレビュー機能も出ますか?
A. 公式にこう書かれています。「ほとんどの問題は一般提供(GA)の機能について出題されます。プレビュー機能が一般的に使用されている場合は、これらの機能に関する問題が試験に含まれることがあります」。基本はGA機能と考えて構いません。
Q. コマンドやコードを書けるようになる必要はありますか?
A. 必要ありません。57項目に「構築する」「実装する」は1つもなく、Azure CLI や PowerShell も「説明する」止まりです。何のための道具かが分かれば十分です。
Q. 出題範囲はいつ変わりますか?
A. 予告なく改訂されます。この版は2026年7月20日現在のスキルです。なお公式は「常に、英語版の試験が最初に更新されます。一部の試験は他の言語にローカライズされており、英語版が更新されてから約8週間後に更新されます」と説明しています。
まとめ
- 出題範囲は公式の「評価されるスキル」3ドメイン・11スキル・57項目
- 配点は25〜30% / 35〜40% / 30〜35%。ドメイン2(Azureのアーキテクチャとサービス)が最重量
- 語尾は「説明する・識別する・比較する」だけ。作れる必要はなく、見分けられればいい
- この版は2026年7月20日現在。Microsoft Entra ID 表記が正で、Azure AD 表記の教材は更新が止まっています
- まずやることは「知らない用語がいくつあるか数える」こと
※本記事の57項目は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル/2026年8月6日取得)の日本語表記をそのまま引用しています。要約・言い換えはしていません。出題範囲は予告なく改訂されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

