Azure Storageを図解|アクセス層と冗長性(LRS・ZRS・GRS)の違い【AZ-900】

Azure Storageを図解|アクセス層と冗長性の違い【AZ-900】|Azure資格の森 AZ-900 Azure Fundamentals
無料AZ-900 出題範囲 2-3|Azure Storageの種類・アクセス層・冗長性・移行ツールを、未経験からわかるように整理します。

ストレージはAZ-900でいちばん「数字と略語」が出てくる単元です。LRS、ZRS、GRS……。ただ、これらはすべて「どこまで離してコピーを置くか」という1つの軸に並んでいます。そこさえつかめば混乱しません。

この記事の結論

  • 冗長性は「どこまで離すか」の一直線。LRS(同じデータセンター)→ ZRS(同じリージョンの別ゾーン)→ GRS(別のリージョン)→ GZRS(両方)。
  • アクセス層は「保存の安さ」と「取り出しやすさ」のトレードオフ。安い層ほど最低保存期間が長く、取り出しに費用と時間がかかります。
  • アーカイブ層はオフラインで、すぐには読み取れません。
  • 移行の道具は量で選ぶ。ネットワークで無理な量ならAzure Data Box(物理的に送る)。

Azure Storage の4つのサービス

Azure Storageは1つのサービスではなく、用途の違う入れ物の集まりです。

サービス 何を入れるか 使いどころ
Blob Storage あらゆる形式のファイル(非構造化データ) 画像、動画、バックアップ、ログ
Azure Files ファイル共有 複数のサーバーやPCから同じフォルダーを共有したいとき
Queue Storage メッセージ 処理の依頼を順番待ちさせたいとき
Table Storage キーと値の表形式データ 単純な構造のデータを大量に保存したいとき

このほか、仮想マシンにつなぐディスク(マネージドディスク)もストレージの仲間です。

見分け方

Blob と Files の違いがよく問われます。Blob=アプリからプログラムで読み書きする置き場Files=ネットワークドライブのようにマウントして使う共有フォルダー。「エクスプローラーからドライブとして開きたい」ならAzure Filesです。

ストレージアカウント:すべての入れ物の親

上の4つは、ストレージアカウントという1つの入れ物の中に作られます。公式は「ストレージ アカウントは、BLOB コンテナー、ファイル共有、テーブル、キューなどのストレージ リソースをデプロイするために使用できるストレージの共有プールを表します」と説明しています。

試験で狙われる点

公式は「ストレージ アカウントの冗長性設定は、そのアカウントによって公開されるすべてのストレージ サービスで共有されます」と明記しています。つまり冗長性はストレージアカウント単位で、同じアカウントの中でBlobだけGRS、Filesだけ LRS といった分け方はできません。違う冗長性が必要なら、アカウントを分けます。

アクセス層:使う頻度で置き場所を変える

データには「毎日使うもの」と「何年も触らないが消せないもの」があります。同じ料金で保存するのはもったいないので、Azureにはアクセス層という仕組みがあります。

向いているデータ 最低保存期間 取り出し
ホット 頻繁に読み書きする すぐ
クール アクセス頻度が低い 30日 すぐ
コールド めったにアクセスしない 90日 すぐ
アーカイブ ほぼ触らない長期保存 180日 数時間かかる(オフライン)

※ 最低保存期間・オフラインの扱いは、いずれもMicrosoft公式「BLOB データに関するアクセス層」の記載によります。

公式の説明では、ホット層は「ストレージ コストが最も高く、アクセス コストは最も安い」。逆に安い層ほど、取り出すときの費用が高くなります。保存料と取り出し料が逆方向に動くのがポイントです。

よくある誤解

「安いから全部アーカイブにする」は失敗します。アーカイブ層は公式にオフライン層と書かれており、読み取れる状態に戻すのに数時間かかります。さらに最低180日の保存期間があるため、早く消すと違約金のように費用が発生します。

なお、使用パターンに応じて自動的に層を移してくれるスマート層も用意されています。

冗長性:コピーをどこまで離して置くか

冗長性はどこまで離すか。LRSローカル冗長ストレージは同じデータセンターの中で3つコピー、ZRSゾーン冗長ストレージは同じリージョンの3つ以上の可用性ゾーンへ、GRS geo冗長ストレージは離れた別のリージョンにもコピー、GZRS geoゾーン冗長ストレージはゾーンにも別リージョンにもコピー。下に行くほど守れる範囲が広くなり料金も上がる

ここがストレージの最頻出ポイントです。4つは一直線に並んでいます。

略語 正式名 コピーを置く場所 耐えられる障害
LRS ローカル冗長ストレージ 同じデータセンターの中 ドライブ・サーバー・ラックの故障
ZRS ゾーン冗長ストレージ 同じリージョンの3つ以上の可用性ゾーン データセンター1棟の障害
GRS geo冗長ストレージ 離れた別のリージョンにも リージョン全体の災害
GZRS geoゾーン冗長ストレージ ゾーンにも別リージョンにも 両方

公式はLRSについて「LRSは、ドライブ、サーバー、ラックの障害からデータを保護します。ただし、データセンター内で火災や洪水などの災害が発生した場合、LRSを使用するストレージ アカウントのすべてのレプリカが失われたり、回復不能になる可能性があります」と説明しています。LRSは一番安く、一番弱いということです。

また、GRSやGZRSには読み取りアクセス付き(RA-GRS、RA-GZRS)という選択肢もあります。複製先のデータを読み取り専用で参照できるようになるものです。

ファイルを動かす道具

データをAzureへ持っていく方法はいくつかあり、量と目的で選びます

道具 何をするもの 向いている場面
AzCopy コマンドでコピーする スクリプトで自動化したい/ある程度の量をネットワーク経由で
Azure Storage Explorer 画面で操作するアプリ 中身を見ながら手で操作したい
Azure File Sync オンプレミスのWindows ServerとAzureのファイル共有を同期し続ける 手元にも置きつつクラウドにも持ちたい

まとめて移行する:Azure Migrate と Azure Data Box

サービス 何をするもの
Azure Migrate オンプレミスのサーバーやデータベースを評価してから移行するための総合ツール
Azure Data Box 物理的な装置にデータを入れて送り、Azure側で取り込む
Data Box が出てくる条件

問題文に「数十テラバイト」「ネットワークでは時間がかかりすぎる」「回線が細い」といった言葉があればAzure Data Boxです。ネットワークを使わずに運ぶ、というのが唯一の特徴なので見分けやすい問題になります。

【比較】まぎらわしいところ

紛らわしい組み合わせ 違い
Blob と Azure Files プログラムから読み書きする置き場か、マウントして使う共有フォルダー
ZRS と GRS 同じリージョンの中か、別のリージョン
クール と アーカイブ すぐ読めるか、数時間かかるか(オフライン)
AzCopy と Data Box ネットワーク経由か、物理的に送る
Azure Migrate と Azure File Sync 移行するのか、移したあとも同期し続けるのか

試験ではこう問われる

問われ方 判断のしかた
「リージョン全体の災害に備える」 GRS(またはGZRS)
「同じリージョン内で高可用性」 ZRS
「いちばん安い冗長性」 LRS
冗長性はサービスごとに変えられるか 変えられない(ストレージアカウント単位)
アーカイブ層はすぐ読めるか 読めない(数時間かかる)
アクセス層は変更できるか できる
「ネットワークでは無理な量を移す」 Azure Data Box
「ドライブとしてマウントしたい」 Azure Files

確認クイズ

読んだ直後に3問だけ。

Q1

Azure Storage のアクセス層について、次の各文が正しいかどうかを判定してください。

各文について「はい」か「いいえ」を選んでください(文ごとに1点)

1. クール層に保存したデータには、最低限の保存期間が定められている。

はいいいえ

2. アーカイブ層のデータは、ホット層と同じようにすぐ読み取れる。

はいいいえ

3. アクセス層は、あとから変更することができる。

はいいいえ

アクセス層は「保存の安さ」と「取り出しやすさ」のトレードオフです。安い層ほど最低保存期間が長く、取り出しに費用と時間がかかります。「安いから全部アーカイブ」は、いざ使うときに困る典型的な失敗です。
Q2

ストレージアカウントのデータを、リージョン全体をおそう災害から守りたい。最低限どの冗長性オプションが必要ですか。

1つ選んでください

A. ローカル冗長ストレージ(LRS)
B. ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
C. geo冗長ストレージ(GRS)
D. 冗長性の設定は不要(Azureが自動で全世界に複製する)

冗長性は「どこまで離すか」の一直線です。LRS=同じデータセンターの中/ZRS=同じリージョンの別ゾーン/GRS=別のリージョン/GZRS=ゾーンにも別リージョンにも。離れるほど守れる範囲が広くなり、料金も上がります。
Q3

オンプレミスにある数十テラバイトのデータをAzureへ移したいのですが、ネットワーク経由では時間がかかりすぎます。適した方法はどれですか。

1つ選んでください

A. Azure Data Box
B. AzCopy
C. Azure Storage Explorer
D. Azure File Sync

移行の道具は「量」と「回数」で選びます。少量ならAzCopyやStorage Explorer、ネットワークでは無理な量ならData Box、サーバーを評価してから移すならAzure Migrate、移したあとも同期し続けるならAzure File Sync。

まとめ

  • Azure StorageはBlob/Files/Queue/Table(+ディスク)。すべてストレージアカウントの中に作る
  • 冗長性はストレージアカウント単位。LRS → ZRS → GRS → GZRS の順に守れる範囲が広がり、料金も上がる
  • アクセス層はホット/クール(30日)/コールド(90日)/アーカイブ(180日)アーカイブはオフラインで数時間かかる
  • 移行は量で選ぶ。ネットワークで無理ならData Box、評価から始めるならAzure Migrate、同期し続けるならAzure File Sync

※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の各サービス公式ドキュメントの記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。引用は公式の日本語表記のままです。仕様は変更されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

この単元を解き終えたら

読んだ直後に手を動かすと定着します。練習問題20問は登録不要・全問オリジナルで、その場で採点と解説が出ます。

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