AZ-900の公式の出題範囲は、語尾がすべて「説明する」「識別する」「比較する」で書かれています。つまりこの試験は用語を知っているかではなく、似ているもの同士の違いが言えるかを問う作りになっています。
そこで、試験で取り違えやすい組み合わせだけを集めました。直前の見直しにそのまま使えます。
左の用語と右の用語の違いを、自分の言葉で1行で言えるかを試してください。言えなければ、その行の「見分けるキーワード」を読んでから、担当している解説記事に戻るのが最短です。

1. 場所と冗長性
| 組み合わせ | 違い | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| 可用性ゾーン / リージョンペア | 同じリージョンの中か、離れたリージョンどうしか | 「同一リージョン内」→ゾーン/「地理的に離れた」→ペア |
| LRS / ZRS | 同じデータセンターの中か、同じリージョンの3つ以上のゾーンか | 「データセンター障害に耐える」→ZRS |
| ZRS / GRS | 同じリージョン内か、別のリージョンにもか | 「リージョン全体の災害」→GRS |
| 可用性セット / 可用性ゾーン | 同じデータセンター内の分散か、物理的に離れた場所か | 公式が「可用性セットは可用性ゾーンと同じレベルの回復性を提供しません」と明記 |
| Scale Sets / 可用性セット | 台数を増やすか、同時に落ちないよう分けるか | 「需要に応じて自動的に」→Scale Sets |
くわしくは リージョンと階層の全体像/Azure Storage/Azureのコンピューティング にあります。
2. 計算とネットワーク
| 組み合わせ | 違い | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| スケールアップ / スケールアウト | 1台を大きく(垂直)か、台数を増やす(水平)か | 「CPUとメモリを増やした」→アップ |
| 仮想マシン / App Service | OSも自分で管理か、アプリだけ置くか | 「OSを設定したい」→仮想マシン |
| Container Instances / Kubernetes Service | 手軽に1つか、大量にまとめて運用か | 「オーケストレーション」→AKS |
| VPN Gateway / ExpressRoute | インターネット経由・暗号化か、インターネットを通らない専用接続か | 「専用線」「安定した帯域」→ExpressRoute |
| サブネット / リソースグループ | ネットワークの区切りか、管理の入れ物か | まったく別の軸。混ぜない |
| パブリック / プライベートエンドポイント | インターネットから入るか、インターネットを通らずに入るか | 名前から意味を逆に取らない |
3. ストレージ
| 組み合わせ | 違い | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| Blob / Azure Files | プログラムから読み書きか、マウントして使う共有フォルダーか | 「ドライブとして開きたい」→Files |
| クール / アーカイブ | すぐ読めるか、オフラインで数時間かかるか | 最低保存期間:クール30日/コールド90日/アーカイブ180日 |
| AzCopy / Data Box | ネットワーク経由か、物理的に装置を送るか | 「ネットワークでは時間がかかりすぎる」→Data Box |
| Azure Migrate / Azure File Sync | 移行するか、移したあとも同期し続けるか | — |
冗長性の設定はストレージアカウント単位です。同じアカウントの中で「BlobだけGRS、FilesはLRS」という分け方はできません。違う冗長性が必要なら、アカウントを分けます。
4. IDとセキュリティ
| 組み合わせ | 違い | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| 認証 / 認可 | あなたは誰か/何をしてよいか | 権限の話ならRBAC |
| RBAC / 条件付きアクセス | 持っている権限か、そのときの状況か | 「社外からのときだけ」→条件付きアクセス |
| 多要素認証 / 強いパスワード | 種類の違う要素を2つ以上か、1つを強くしただけか | 「パスワード+秘密の質問」は多要素ではない |
| ゼロトラスト / 多層防御 | 何を前提にするか/どう重ねるか | 「社内だから安全」を否定するのがゼロトラスト |
| Defender for Cloud / Azure Advisor | セキュリティ特化か、コスト等を含む幅広い提案か | 「セキュリティの状態を点数で」→Defender for Cloud |
5. 管理・ガバナンス・監視
| 組み合わせ | 違い | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| RBAC / Azure Policy / リソースロック | 触らせない/作らせない/消させない | この3語で覚える |
| Azure Policy / Microsoft Purview | リソースの構成か、データの中身か | 「どんなデータがどこにあるか」→Purview |
| 料金計算ツール / Cost Management | 作る前の見積もりか、作った後の分析か | 「事前に」→料金計算ツール |
| Azure Migrate / Azure Arc | 移行するか、移行せず管理するか | 「そのままの場所で」→Arc |
| Service Health / Azure Monitor / Advisor | Azure側の問題/自分のリソース/改善の提案 | 「誰の問題を見るか」で分ける |
| Application Insights / Cost Management | アプリの動作か、請求の分析か | Insightsは費用を見ない |
断定表現を見たら、いったん止まる
比較のほかに、もう1つ得点源があります。「常に」「すべて」「必ず」「100%」を含む文です。この試験では、こうした断定表現がわざと誤りとして置かれていることがあります。
- 「すべてのリージョンにリージョンペアがある」→ 誤り。公式は「新しいリージョンの多くはペアではなく、代わりに可用性ゾーンを冗長性の主要な手段として使用します」と説明しています
- 「SLAは100%の稼働を保証する」→ 誤り。稼働率の目標と、下回ったときの対応を定めた合意です
- 「所有者ロールがあれば常にリソースを削除できる」→ 誤り。ロックがかかっていれば、外すまで削除できません
- 「クラウドに置けばデータの保護はすべて事業者の責任」→ 誤り。データとアカウント管理は常に利用者の責任です
力試し
この記事の内容から2問。選ぶとその場で正誤と解説が出ます。
まぎらわしい組み合わせについて、次の各文が正しいかどうかを判定してください。
各文について「はい」か「いいえ」を選んでください(文ごとに1点)
1. 可用性ゾーンは同じリージョンの中、リージョンペアは離れたリージョンどうしの組み合わせである。
2. 「パスワード+秘密の質問」は、多要素認証にあたる。
3. Azure Policy は「作らせない」、リソースロックは「消させない」ためのしくみである。
次のうち、誤っているものはどれですか。
1つ選んでください
PDFで持ち歩く
ここまでの比較をA4・3ページのPDFにまとめました。登録もメールアドレスの入力も不要です。印刷して直前の見直しに使ってください。
※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の各サービス公式ドキュメントの記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。仕様は変更されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

