ゼロトラストと多層防御を図解|Microsoft Defender for Cloudとの違い【AZ-900】

ゼロトラストと多層防御を図解|Defender for Cloudとの違い【AZ-900】|Azure資格の森 AZ-900 Azure Fundamentals
無料AZ-900 出題範囲 2-4(後半)|ゼロトラスト・多層防御・Microsoft Defender for Cloud を整理します。

セキュリティの単元は項目数こそ3つですが、考え方の話と道具の話が混ざっているので混乱しがちです。ここでは「前提」「構成」「道具」の3つに分けて整理します。

この記事の結論

  • ゼロトラスト=何を前提にするか。「社内だから安全」をやめ、場所を問わず毎回確認します。
  • 多層防御=どう重ねるか。守りを何層も重ね、1つ破られても次で止めます。
  • Microsoft Defender for Cloud=実際に見る道具。いまどれくらい安全かを評価し、改善案を出します。
  • この3つは同じ話ではありません。レイヤーが違うので、設問では役割で見分けます。

ゼロトラスト:「社内だから安全」をやめる

昔のセキュリティは「境界を守る」という考え方でした。社内ネットワークの内側は安全、外側は危険。だから境界に壁を作る——という発想です。

ところが、在宅勤務が広がり、クラウドを使うようになると、この前提が崩れます。利用者もデータも、境界の外にあるのが普通になったからです。

そこで出てきたのがゼロトラストです。「決して信頼せず、常に検証する」という考え方で、原則は3つあります。

原則 意味
明示的に確認する 利用者・場所・端末・状況など、手に入る情報をもとに毎回判断する
最小特権を使う 必要な権限だけを、必要な間だけ与える
侵害を想定する 「すでに侵入されているかもしれない」と考えて、被害が広がらない作りにする
試験で狙われる点

「社内ネットワークからのアクセスは信頼する」という選択肢は、ゼロトラストの説明としては誤りです。ゼロトラストが否定している、まさにその前提だからです。「はい/いいえ」形式でもよく出る形なので、断定表現に注意してください。

多層防御:層を重ねて守る

多層防御は層を重ねて守る。外側から物理、IDとアクセス、ネットワーク、コンピューティング、アプリケーション、データの順に入れ子になっており、1つの層が破られても次の層が守る

多層防御(Defense in Depth)は、守りを1か所に集中させず、何層も重ねるという考え方です。公式はこう説明しています。

「Azureは多層防御戦略を採用し、物理データセンターからコンピューティング、ストレージ、ネットワーク、アプリケーション、IDまで、スタック全体で複数のセキュリティ保護レイヤーを提供します。この多層的なアプローチにより、一つの層が侵害されても、追加の層が資源を守り続けます。」

いちばん内側にあるのがデータです。守りたいものは結局データなので、そこへたどり着くまでに何枚もの層を置く、という構造になっています。

ゼロトラストとの違い

この2つはよく並べて出てきますが、答えている問いが違います

  • 多層防御:守りをどう構成するか(何層も重ねる)
  • ゼロトラスト何を前提にするか(信頼しない、毎回確認する)

「同じことを言っている」という選択肢は誤りです。

Microsoft Defender for Cloud:いまの状態を見て守る

考え方が分かっても、実際の環境が安全かどうかは別の話です。それを実際に見て、点数と改善案を出してくれるのがMicrosoft Defender for Cloudです。

できることは大きく2つあります。

役割 内容
状態を評価する 設定の弱いところを見つけ、スコア推奨事項として示す
脅威から守る 不審な動きを検出して知らせる

さらに、Azureの中だけでなく、オンプレミスや他社クラウドの環境も対象にできます。「Azure専用の道具」ではない点も押さえておいてください。

Azure Advisor との違い

「改善案を出してくれる」という点で Azure Advisor と似ています。違いは対象の広さです。Advisorはコスト・性能・信頼性を含む幅広い改善提案Defender for Cloud はセキュリティに特化。問題文が「セキュリティの状態」と言っていればDefender for Cloudです。

【比較】3つの役割分担

種類 答えている問い
ゼロトラスト 考え方(前提) 何を信頼するか → 信頼しない
多層防御 考え方(構成) 守りをどう並べるか → 層を重ねる
Defender for Cloud サービス(道具) いまどうなっているか → 評価して知らせる

試験ではこう問われる

問われ方 判断のしかた
「社内からのアクセスは信頼する」はゼロトラストか 違う(否定している前提そのもの)
ゼロトラストの3原則 明示的に確認/最小特権/侵害を想定する
「1つ破られても次で止める」 多層防御
多層防御の最も内側 データ
「セキュリティの状態を点数で知りたい」 Microsoft Defender for Cloud
Defender for Cloud はAzure専用か 違う(オンプレミスや他社クラウドも対象にできる)
Advisor と Defender for Cloud の違い 幅広い改善提案か、セキュリティ特化

確認クイズ

読んだ直後に3問だけ。

Q1

ゼロトラストの考え方として、最も適切なものはどれですか。

1つ選んでください

A. 社内ネットワークからのアクセスは信頼し、社外からのアクセスだけを検証する
B. 場所を問わず、アクセスのたびに明示的に検証する
C. すべての通信を暗号化すれば、認証は不要になる
D. 管理者には制限をかけず、一般利用者だけを制限する

ゼロトラストの原則は「明示的に確認する」「最小特権を使う」「侵害を想定する」の3つです。共通しているのは「安全だと決めつけない」という姿勢。社内かどうか、管理者かどうかで扱いを緩めません。
Q2

Azureのセキュリティの考え方について、次の各文が正しいかどうかを判定してください。

各文について「はい」か「いいえ」を選んでください(文ごとに1点)

1. 多層防御では、1つの層が突破されても次の層が資産を守る。

はいいいえ

2. 多層防御とゼロトラストは、同じことを別の言葉で言っているだけである。

はいいいえ

3. Microsoft Defender for Cloud は、Azure以外の環境も保護の対象にできる。

はいいいえ

この3つは層の話・前提の話・道具の話と、レイヤーが違います。多層防御=守りを何枚も重ねる構成/ゼロトラスト=「信頼しない」という前提/Defender for Cloud=実際に状態を見て守る道具。「同じもの」と考えると設問で迷います。
Q3

自社のAzure環境が、セキュリティの観点でいまどれくらい安全なのかを数値で把握し、改善すべき点の一覧を得たい。適したサービスはどれですか。

1つ選んでください

A. Microsoft Defender for Cloud
B. Microsoft Entra 条件付きアクセス
C. Azure Policy
D. リソースロック

いまどれくらい安全か」「改善の推奨事項がほしい」と来たらMicrosoft Defender for Cloudです。似た役割に Azure Advisor がありますが、Advisorはコストや性能を含む幅広い改善提案、Defender for Cloud はセキュリティに特化している、と整理しておくと迷いません。

まとめ

  • ゼロトラスト=「決して信頼せず、常に検証する」。原則は明示的に確認・最小特権・侵害を想定
  • 多層防御=守りを何層も重ね、1つ破られても次の層で止める。いちばん内側はデータ
  • Microsoft Defender for Cloud=状態を評価してスコアと推奨事項を出し、脅威も検出する。Azure以外も対象にできる
  • 3つは前提・構成・道具と役割が違う。「同じもの」ではない

※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の各サービス公式ドキュメントの記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。引用は公式の日本語表記のままです。仕様は変更されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

この単元を解き終えたら

読んだ直後に手を動かすと定着します。練習問題20問は登録不要・全問オリジナルで、その場で採点と解説が出ます。

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