Microsoft Entra IDとRBACを図解|認証と認可の違い・多要素認証・条件付きアクセス【AZ-900】

Microsoft Entra IDとRBACを図解|認証と認可の違い【AZ-900】|Azure資格の森 AZ-900 Azure Fundamentals
無料AZ-900 出題範囲 2-4(前半)|Microsoft Entra ID・SSO・多要素認証・条件付きアクセス・RBACを整理します。

この単元は用語がとにかく似ています。認証、認可、SSO、MFA、条件付きアクセス、RBAC……。でも整理の軸は1つだけです。「あなたは誰か」と「何をしてよいか」は別の話——ここから始めれば、すべて位置づけられます。

この記事の結論

  • 認証=あなたは誰か(SSO・多要素認証・パスワードレス)。認可=何をしてよいか(RBAC)。まずここを分けます。
  • Microsoft Entra ID は、以前 Azure Active Directory(Azure AD) と呼ばれていたものです。古い教材は旧名称のままです。
  • 条件付きアクセスは「そのときの状況を見て通すか決める」しくみ。RBAC(持っている権限)とは別の軸です。
  • 多要素認証は「知っているもの・持っているもの・自分自身」から2つ以上。パスワードを長くすることではありません。
認証と認可は別のもの。認証はあなたは誰かを確かめるもので、パスワード(知っているもの)・スマートフォン(持っているもの)・指紋や顔(自分自身)のうち2つ以上を組み合わせるのが多要素認証。認可は何をしてよいかを決めるもので、読み取りだけ・作成もできる・すべて操作できるといった役割を割り当てるしくみがRBAC

Microsoft Entra ID:Azureの「利用者名簿」

Microsoft Entra IDは、誰がこの組織のメンバーかを管理するサービスです。ユーザーを登録し、サインインを受け付け、本人かどうかを確かめます。

名前が変わりました

このサービスは以前Azure Active Directory(Azure AD)という名前でした。現在はMicrosoft Entra IDです。公式の出題範囲(2026年7月20日現在のスキル)も新しい名前で書かれています。手元の教材が「Azure AD」表記なら、その時点で更新が止まっています。

もう1つ、名前が似ていて紛らわしいものがあります。

サービス 役割
Microsoft Entra ID クラウド向けのID管理。サインインを受け付ける
Microsoft Entra Domain Services 従来の社内システムで使われてきたドメイン参加やグループポリシーといったしくみを、Azure上で使えるようにする

試験対策としては、「古いしくみをそのまま使いたいときに Domain Services」と覚えておけば十分です。

認証:あなたが本人だと確かめる

シングルサインオン(SSO):サインインの回数を減らす

シングルサインオン(SSO)は、一度サインインすれば、複数のサービスをそのまま使えるしくみです。

利便性の話に見えますが、セキュリティの話でもあります。サービスごとにパスワードを覚える必要がなくなるので、使い回しや弱いパスワードが減ります

多要素認証(MFA):確からしさを上げる

多要素認証は、種類の異なる要素を2つ以上組み合わせて本人確認をするしくみです。要素は3種類あります。

要素
知っているもの パスワード、暗証番号
持っているもの スマートフォン、ICカード
自分自身 指紋、顔
よくある誤解

「パスワードを長く複雑にする」は多要素認証ではありません。それは「知っているもの」1つを強くしただけです。また「パスワード+秘密の質問」も、どちらも『知っているもの』なので多要素にはなりません。ここは試験で狙われます。

パスワードレス:そもそもパスワードを使わない

パスワードレス認証は、パスワードの代わりにスマートフォンのアプリ・生体認証・セキュリティキーなどでサインインする方法です。パスワードを使わないので、盗まれる・使い回されるという問題自体がなくなります。

外部ID:社外の人を招く

外部IDは、社外の取引先や顧客に、自社のリソースを使ってもらうためのしくみです。相手側のアカウントをそのまま使ってもらえるので、こちらでアカウントを作り直す必要がありません。

条件付きアクセス:そのときの状況で判断する

Microsoft Entra 条件付きアクセスは、「もし〜なら、〜する」というルールを作るしくみです。

  • 社内ネットワークの外からのアクセスなら、追加で多要素認証を求める
  • 管理されていない端末からなら、アクセスをブロックする
  • いつもと違う国からのサインインなら、確認を求める

ポイントは「持っている権限」ではなく「そのときの状況」を見るという点です。同じ人でも、会社にいるときと外にいるときで扱いを変えられます。

認可:何をしてよいかを決める(RBAC)

Azureロールベースのアクセス制御(RBAC)は、役割(ロール)を割り当てることで、できることの範囲を決めるしくみです。

「読み取りだけ」「作成もできる」「すべて操作できる」といった役割を、ユーザーやグループに割り当てます。1人ずつ個別に設定するのではなく、役割で管理するのが特徴です。

階層とのつながり

RBACはどの階層に割り当てるかで、効く範囲が決まります。管理グループに割り当てれば配下のサブスクリプションすべてに、リソースグループに割り当てればその中のリソースすべてに継承されます。階層の話は リージョンと階層の全体像 にまとめました。

【比較】似ている4つの整理

しくみ 答えている問い ひとことで
SSO あなたは誰か サインインの回数を減らす
多要素認証 あなたは誰か 本人確認の確からしさを上げる
条件付きアクセス いま通してよいか 状況を見て判断する
RBAC 何をしてよいか 権限を役割で割り当てる

試験ではこう問われる

問われ方 判断のしかた
「見られるが変更はできない権限を与えたい」 RBAC
「社外からのときだけ追加認証を求めたい」 条件付きアクセス
「パスワード+秘密の質問」は多要素認証か 違う(どちらも「知っているもの」)
「一度のサインインで複数サービスを使いたい」 SSO
「社外の取引先にアクセスしてもらいたい」 外部ID
「ドメイン参加やグループポリシーを使いたい」 Microsoft Entra Domain Services
Azure AD という名前が出てきたら 現在の名称はMicrosoft Entra ID

確認クイズ

読んだ直後に3問だけ。

Q1

ある利用者に、リソースの内容は見られるが、変更や削除はできない権限を与えたい。使うしくみはどれですか。

1つ選んでください

A. Azureロールベースのアクセス制御(RBAC)
B. 多要素認証(MFA)
C. Microsoft Entra 条件付きアクセス
D. リソースロック

認証と認可を分けて考えてください。認証(MFA・SSO・パスワードレス)=あなたは誰か、認可(RBAC)=何をしてよいか。「見られるが変更できない」は権限の話なのでRBACです。
Q2

Microsoft Entra ID と認証について、次の各文が正しいかどうかを判定してください。

各文について「はい」か「いいえ」を選んでください(文ごとに1点)

1. シングルサインオン(SSO)を使うと、一度サインインするだけで複数のサービスを利用できる。

はいいいえ

2. 多要素認証とは、長くて複雑なパスワードを設定することである。

はいいいえ

3. 外部ID(External ID)を使うと、社外の取引先のユーザーを招いて自社のリソースを使ってもらえる。

はいいいえ

認証まわりは「回数を減らす」「確からしさを上げる」「社外を招く」の3方向で整理できます。SSO=回数を減らす/MFA・パスワードレス=確からしさを上げる/外部ID=社外を招く。それぞれ解決している問題が違います。
Q3

「社内ネットワークの外からアクセスしている場合にだけ、追加で認証を求めたい」。この設定を行うしくみはどれですか。

1つ選んでください

A. Microsoft Entra 条件付きアクセス
B. RBAC
C. Microsoft Entra Domain Services
D. シングルサインオン(SSO)

条件付きアクセスは「もし〜なら、〜する」というルールです。RBACが持っている権限の話なのに対し、条件付きアクセスはそのときの状況の話。この2つはセットで問われやすいので、違いを言えるようにしておいてください。

まとめ

  • 認証=あなたは誰か/認可=何をしてよいか。まずこの2つを分ける
  • Microsoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)がID管理の中心
  • SSO=回数を減らす/多要素認証=確からしさを上げる(3要素から2つ以上)/パスワードレス=そもそも使わない
  • 外部ID=社外の人を招く
  • 条件付きアクセス=そのときの状況で判断する(RBACとは別の軸)
  • RBAC=役割で権限を割り当てる。どの階層に付けるかで効く範囲が決まる

※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の各サービス公式ドキュメントの記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。引用は公式の日本語表記のままです。仕様は変更されることがあります。最新情報は必ずMicrosoft公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

この単元を解き終えたら

読んだ直後に手を動かすと定着します。練習問題20問は登録不要・全問オリジナルで、その場で採点と解説が出ます。

タイトルとURLをコピーしました