AZ-900の対策情報はたくさんあります。ところが「結局、何から始めればいいのか」に答えているものは多くありません。参考書を買うのか、公式トレーニングを読むのか、問題を解くのか——順番を間違えると、時間だけが溶けます。
この記事では、公式が出している事実だけを土台に、進める順番を4段階で示します。当サイトの解説記事は全部無料なので、この記事をなぞるだけで一周できます。
- 最初にやるのは教材選びではなく、「知らない用語がいくつあるか数える」ことです。ここで自分に必要な量が決まります。
- 読む順番は配点の重いドメイン2(35〜40%)から。ドメイン1(クラウド一般論)は配点が一番軽いので、時間をかけすぎないこと。
- 仕上げは「違いが言えるか」の確認。AZ-900は暗記ではなく見分けを問う試験です。
- 当日の操作は公式の試験サンドボックス(無料・日本語)で慣れておく。ここを飛ばす人が多い。

段階1:範囲を知り、自分に必要な量を測る
いきなり参考書を開かないでください。最初にやるのは現在地の確認です。
- 出題範囲の57項目をひととおり眺める
- 意味を説明できない用語がいくつあるか数える(リージョンペア、可用性ゾーン、LRS、RBAC、Azure Policy、Azure Arc……)
- 1つあたり15〜30分(読む+自分の言葉で説明できるようにする)を掛ける
- そこに演習と復習の時間を上乗せする
ネットで見かける「〇時間で受かる」という数字は、あなたの前提知識を知りません。Microsoftも勉強時間を公表していません。唯一の客観的な数字は公式の無料トレーニングの表示時間(合計5時間5分)ですが、これは読み通す時間であって覚える時間ではありません。→ 難易度と勉強時間の目安
ここで決めておくこと
| 決めること | 目安 |
|---|---|
| 受験日 | 先に予約してしまうのは独学では有効です。締め切りができます |
| 1日に取れる時間 | 30分でも構いません。毎日触るほうが、週末にまとめてより定着します |
| 教材 | まずは無料で足ります(次の段階で説明します) |
段階2:配点の重い順に、用語をつぶす
公式の配点はこうなっています。
| ドメイン | 配点 | 当サイトの解説 |
|---|---|---|
| 2. Azureのアーキテクチャとサービス | 35〜40% | リージョンと階層/コンピューティング/ネットワーク/ストレージ/IDとアクセス/セキュリティ |
| 3. Azureの管理とガバナンス | 30〜35% | コスト管理/ガバナンス/操作する道具/監視ツール |
| 1. クラウドの概念 | 25〜30% | クラウドとは/クラウドの利点/IaaS・PaaS・SaaS |
ドメイン1 →ドメイン2 → ドメイン3の番号順ではなく、ドメイン1を軽く通してから、ドメイン2に時間を集中させるのが効率的です。
理由は2つ。ドメイン1はAzureに限らない一般論なので短時間で読めること。そしてドメイン2の用語(リージョン、サブスクリプション)を知らないと、ドメイン3のガバナンスの話が理解できないことです。
この段階での進め方
- 解説記事を1本読む(15〜25分)
- 記事末の確認クイズ3問を解く。間違えたらその場で本文に戻る
- 次の記事へ。1日1〜2本のペースで十分です
全13本を読み終えると、公式の57項目をすべて通ったことになります。
段階3:「違いが言えるか」を確かめる
ここがAZ-900でいちばん大事な段階です。
公式の出題範囲は、語尾がすべて「説明する」「識別する」「比較する」で書かれています。「構築する」「実装する」は1つもありません。つまりこの試験は、用語を知っているかではなく、似ているもの同士の違いが言えるかを問う作りになっています。
そこで、次のような組み合わせを自分の言葉で1行ずつ説明してみてください。
- 可用性ゾーンとリージョンペアは何が違うか
- LRSとZRSとGRSは、どこまで離れているか
- RBACとAzure Policyとリソースロックは、それぞれ何を止めるか
- Azure AdvisorとService HealthとAzure Monitorは、誰の問題を見ているか
詰まったら、まぎらわしい用語 比較シートを開いてください。取り違えやすい26組を「見分けるキーワード」つきでまとめてあり、PDFも登録不要でダウンロードできます。
あわせて、Azureサービス早見マップを「こうしたい」から引く練習をしてください。試験は要件からサービスを選ばせる形なので、この向きで引けることが得点に直結します。
段階4:本番の画面と形式に慣れる
知識が入ったら、最後は当日の動き方です。ここを飛ばす人が多いのですが、AZ-900は解答に使えるのが45分しかありません。操作で迷う時間はありません。
① 練習問題で解く感覚をつかむ
当サイトの練習問題20問は、公式の配点比率どおりに出題しています。全問オリジナルで、登録は不要です。「はい/いいえ」を3文ならべた形式も入れてあります(公式が「複数のパートで構成される問題は正解したコンポーネントごとに1点」と明記しているため)。
② 公式の試験サンドボックスで画面に触る
Microsoftは本番とまったく同じ画面を無料で試せるデモを公開しています。日本語に対応していて、問題ごとの答え方、残り時間の見方、見直しのために問題へ印を付ける方法まで確認できます。
あわせて公式の無料プラクティス評価も受けられます。ただし公式が「これらの質問は試験に表示されるものと同じではありません」と明記しているので、本番の予想問題ではありません。
入り方と当日のルールは 試験当日はこうなる にまとめました。
③ 申し込む
受験料は日本で12,180円(税別)、申し込みはPearson VUEから、日本語で受験できます。会社のアカウントではなく個人のMicrosoftアカウントで登録してください(組織を離れると記録を失います)。→ 申し込み方法と受験料
教材はどうするか
結論から言うと、まずは無料で足ります。
| 教材 | 費用 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 当サイトの解説13本+練習問題 | 無料 | 公式57項目を全カバー。登録不要 |
| 公式のラーニングパス(Microsoft Learn) | 無料 | 一次情報。表示時間の合計は5時間5分 |
| 公式のプラクティス評価 | 無料 | 雰囲気と弱点の把握 |
| 公式の試験サンドボックス | 無料 | 本番と同じ画面(日本語) |
| 市販の参考書 | 有料 | 紙で通読したい人向け。選ぶときの注意 |
「読む量」より「解く量」に使うほうが効きます。AZ-900は違いを問う試験なので、読んで分かった気になっている状態と、問われて答えられる状態のギャップが大きいためです。参考書を選ぶときの注意点は 参考書・問題集の選び方 にまとめました。
つまずきやすいところ
| よくある失敗 | 対処 |
|---|---|
| ドメイン1(クラウド一般論)に時間をかけすぎる | 配点は一番軽い(25〜30%)。軽く通してドメイン2へ |
| 用語を暗記しようとする | 暗記ではなく違いを言えるか。比較シートを使う |
| 古い教材で「Azure AD」を覚えてしまう | 現行はMicrosoft Entra ID。試験の画面に出るのは新しい名前 |
| 「700点=7割正解」だと思って目標を下げる | スケールドスコアなので逆算できません。8割を安定して取れる状態を目標に |
| 当日はじめて試験画面を見る | 45分しかない。サンドボックスで前日に触る |
まとめ:4段階
- 範囲を知る:57項目を眺めて、知らない用語を数える
- 用語をつぶす:ドメイン1を軽く通し、配点の重いドメイン2に時間を集中
- 違いを言えるか試す:比較シートと早見マップで、見分ける練習
- 本番に慣れる:練習問題+公式サンドボックスで操作を確認して申し込む
※本記事は、Microsoft公式のAZ-900学習ガイド(2026年7月20日現在のスキル)および Microsoft Learn の記載(2026年8月6日確認)にもとづき、エンジニアKが作成しています。仕様・価格は変更されることがあります。最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。本サイトはMicrosoft Corporationの公式サイトではありません。Microsoft、Azure、Microsoft Entra ID等は同社の商標です。

